恋、



  水曜日。


  夜、

  台風の風が吹いている。

  外は涼しく、窓から入ってくる風が、

  気持ちいい。


  庭の木が風に揺れて、葉がワサワサと鳴る。


  山に居るみたい。



  〜



  山の森の中で風に吹かれると、

  葉と葉が触れ合って、ワサワサと鳴って、

  niizのことを優しく包み込んでくれる。



  遠くから風が吹いてくると、ワサワサが近づいてきて、

  そうするとniizは立ち止まり、

  回りの木々と一緒にその風が来るのを待つんだ。



  手のひらをそっと樹皮に当てると、ひんやりとしていて、、   

  一人ならば頬ずりしたりもする。



  山を歩いても、山に触れているのは主に靴の裏だ。

  靴を履かなきゃ自然の中も歩けない、

  人間はそんなに弱い動物なんだ、

  リスやオコジョより弱い(汗)。



  だから、木に触れると、

  ちょっと憧れの人に触れられたように感じたりする。


  憧れの人には、そっと触れる、、
 


    
  〜〜〜〜



   「それでも


    この国は


    美しいと。」




  今月のオズマガジンの表紙の言葉です。


  niiz毎号この表紙の言葉を観ている。


  この言葉を観たとき、少しだけ救われた気がした。    


  niizはもうこの国は美しいとは思えてなくて、

  もちろん放射能のこともあるし、

  それにこの国の様子を見ていて、、

  もう美しいとは思えなくなった。


  もうあきらめた(ごめんなさい。)



  〜



  もしかしたら、、表紙の言葉を考えた人も、

  辛かったんじゃないだろうか。


  「それでも」の「それ」とは何を指してるのだろう、、



  素直に「美しい」と言えなくなって、

  でも、 「それでも」美しい景色や物や、心に会って、、

  振り絞って出てきたのが、あの言葉だったのかもしれない。



  〜



  悲しくなる、

  美しい景色を眺めると、

  
  喉の置くがきゅっと締め付けられて、

  目を涙の膜が覆う。


  泣くわけではないけれど、

  どこか後ろめたい気持ちで、

  目をそらして、

  逃げていく。


  〜