雲の中で、



  日曜日。



  いい田舎を走る夕方の電車は空いていて、

  車窓の景色は遠くで山が夕焼けていた。



  niizの前の長椅子には、三者三様の三人が座っていた。



  一人は若いスーツ姿の男の人。

  立派に皮のカバーが付いてるけど、

  多分ゲーム機と思われるもののボタンを、一生懸命押していた。  



  真ん中の娘はカエラちゃん似の女の子。

  ワークキャップを目深に被り、たまに微笑みながら、

  スマートフォンを片手でいじっている。 かわいい。。



  一番右の人は、

  Tシャツ短パンで、かなり強面なおじさん。。

  女の子と同じくスマートフォンをいじっているのだけど、

  体中に力が入っていて、目も険しく、、

  まるで危険物にでも触れるかのごとく、

  恐る恐る人差し指でタッチしていた。。



  niizはそんな三人を観察しながら、

  小さな手帳に、小さなボールペンで、

  今日の山行を記していた。



  〜



  日帰りで山歩に行ってきた。


  昨夜(土曜日)は友達と飯食ってて、

  大分寝不足だったのだけど、、


  どうしても、行きたかった。

  ただそれだけ、、



  〜



  登山口から歩き始めると、路はぬかるんでいた。


  嬉しかった。


  niizは乾いていた。

  
  あてつけの麦酒なんかでは、まったくごまかせないほどに、

  乾いていた。


  歩き始めると、みるみると体が潤っていった。


  森の甘い香り、

  
  万緑の木漏れ日
  

  枝葉を囁かせる風、


  もっと、もっと、、

  そこにあるすべてを体中が浴びたがっていた。


  歩けども登れども体は満足せず、

  足はぐいぐいとniizを前に押し出した。



  〜


    
  山の上の方にはまだ雪が残っていた。

  昼食は残雪の傍でのんびり食べた。


  風が涼しくてネルシャツを羽織った。

 
  反対側の斜面からはドライアイスの煙の様に、

  雲が流れ出ていて、


 
  niizはその雲の中にいた。



  雲はniizの後ろから流れてきて、

  目の前の雪の上を滑り降りていった。


  時折雲が切れ、青い空がのぞき、

  流れる雲に開いた窓に、遠くの入道雲の景色が収まった。


  綺麗な景色で、、

  でも一瞬で流れていく景色。


  そんな沢山の一瞬を見たくて、

  山に登るのかもしれない。


  同じ山でも、同じ一瞬はない。


  そんな風に毎日を生きたい。

  生きてみたい。

  
  夢だけど、、



  〜〜


  
  niizの街の駅が近づいてきた。

  一日が終わる。


  電車の中は相変わらず冷房が涼しくて、

  うちわの出番はなかった。


  カエラちゃん似の女の子が、かわいい肩がけのバックから、

  羽織物を出した。



  ちょうどいいピンクの薄カーディガン。


  真っ白なジャックパーセルとの絶妙なさじ加減に、

  niizは完全にノックアウトされ、

  静かに電車を降りた。(?)



  〜



  ふぅ〜、、

  やっぱり文章じゃ山伝わらないな〜(涙)

  (山っていうか女の子の話しばかりだし、、)



  〜



  梅雨明けしましたね!


  暑いですけど;、まずは自己中で!(?)

  体休めながらがんばりましょう♪


  〜