横手やきそば、



  金曜日、、のこと。

  
  今週はなぜか時間が早く過ぎた、

  大して仕事もしてないのに、


  レミオロメンの新しいアルバムを借りてきた。

  「小さな幸せ」という曲が好きだ。


  〜


  少し花見をしてきた。夜桜だ。

  満開で、とてもとても綺麗だった。

  時間を気にして生きることが馬鹿らしく思えるほどに、綺麗だった。

  
  ずっとそこにいたかった。

  ずっと座っていたかった。

  ずっと桜にいてほしかった。

  ずっと傍にいたかった、




      



     
         



  何をもって「贅沢」というのだろう。

  なんて言いながら、結局お金が欲しくてたまらない自分は、

  立派な大人なのだろう。


  「お金より大事なことがあるんだ!」

  大人は子供にそんな事を教育しようとするけれど、

  大人はお金をせっせと貯めようと必死だ。

  「生きるためには仕方ないんだよ」。

  確かに仕方ない。


  「仕方ない」「しょうがない」

  自分の中でいろんな事を正当化してきた。


  けど、子供はそんなの全部お見通しだ。


  〜


  帰り道、

  駅からの自転車の道。

  夜中の公園に咲く満開の桜。


  誰も観ていなくても、寒い夜風に吹かれながら静かに咲いている。

  お花見の場所で観た桜とは、違って感じて、、

  何か怖いものを見てしまったような気がした。、 

  
  桜は、今の時代の人間なんかよりも、ずっと大きな「季節」の中で咲いている。  

  
  人は臆病で、怖がりで、

  いろんな物を身にまとい、たくさんの壁を立てて、

  守って守って、どんどん季節から離れていった。


  そして人間は壁の外では生きることができなくなった。

  
  niizもその世界の中で生きている。

  

  通り過ぎた桜が、niizの背中に諦めた視線を投げた気がして、

  恥ずかしくなって、ペダルを逃げるようにまわした。



  「仕方なかったんだよ、仕方なかったんだよ、、」


  心の中でそう、くり返していた。


  〜