「Butterfly」



  火曜日。

  
  う〜ん、、平日は天気いいな。。みたいな。。

  山道具を洗ったり片付けたりしてる。

  
  山靴を洗ったりするのが好きだ。

  〜


  父が今日から野沢温泉に行っている。

  旅館に泊まって、旅館の人と山に山菜採りに行くそうだ。

  夜は山菜の天ぷらや沢魚を食べさしてもらうらしい。


  楽しそう。。

  
  父に「山登りのステッキを貸してくれ。」と言われていたのだけど、
  
  昨日会社から帰ったら、すでにステッキを買ってきていた。。


  近くの大型スポーツ用品店で買ってきた。


  「種類がいろいろあったけど、これが1番手にしっくりきたんだ。」と、、

  
  モンベル製だった。。

  血は争えないのか、、


  〜〜



      



  日曜の山登りで、優しい少年と出会った。

  歳は、、いくつだっけな、、5歳?だったかな。。

  
  最初の出会いは行きのケーブルカーの中だった。

  とても人懐っこくて、とにかく仕草が全部かわいく見えた。


  お父さんと2人で来ていて、

  少年とは逆にシャイな感じのお父さんも、なんだか好感が持てた。


  お父さんはniizより若いか、同じくらいの年頃に見えた、らしい。

  niiz的には、「niizの方が絶対若い!」と思っていた。

  けど同じくらいと言われたのだから、同じくらいだったのだろう、、

  楽しく会話を続けていたが、そのお父さんと自分を重ね合わせて、

  改めて自分を思ったりしていた。


  自分の事って、1番分からないのかもしれない。

  自分の事って、1番気付けないのかもしれない。
  
    

  〜



  天気も曇り雨な感じだったので、近くの山でも散策しに来たと思っていた。


  まさか2時間も山道を歩いて、niiz達と同じ「大岳山」の山頂まで登ってくるとは、

  思ってもいなかった。  

  
  次に少年に会ったの山頂だった。

  びっくりした、少年のかわいさに。


  少年はniiz達の事を覚えてくれていて、嬉しそうに駆け寄って来てくれた。

  「ここでご飯食べる!」と言う少年に、シャイなお父さんは困惑していた;;


  〜  


  ちょっと離れたところで、お父さんとお昼を食べていたのだけど、

  ちょくちょく遊びに来てくれた。


  チョコ(ガルボ)をあげると、話しをしながら手でゴニョゴニョして、

  ガルボを2つに折ってしまっていた。

  「あ〜あ〜、折っちゃったよ〜」と笑うniiz達に、少年はすぐにこう言った。

  

  「お父さんと食べるんだ。」と。

  

  びっくりした。「この子はどんだけ優しいのだろう!?」と頭が混乱した。


  チョコをもらって会話してる間に「このチョコを2つに割って、お父さんと食べよう。」  

  と、この少年は思っていたのだ。


  〜〜



  子供は純粋なのだと思う。

  その純粋さは時に残酷であったりするかもしれないけど、

  純粋な優しさは、無償の優しさなのかもしれない。


  大人の優しさは自分の為だったり、やらしかったりする。

  それがだめだというわけじゃなくて、それが普通だとも思う。

  
  でもそもそも「大人の考え方の優しさ」は、「子供の純粋な優しさ」とは、

  すでに「優しさ違い」とするしかないのかもかもしれない。




       


  〜



  「もう1つあげるから、お父さんと一個ずつ食べな♪。」とガルボを渡した。


  すると少年は「じゃあこれはお母さんにあげる。お土産にする。」と言った。


  少年の限りのない優しさに、山頂の霧が白く輝いて見えていた。。