待つ。


  金曜日。

  昼間は風が吹いていて、気持ちよかった。

  〜

  朝起きると、カーマちゃんが亡くなっていた。

  最近、日に日に元気がなくなっていた。

  
  水は飲むけど、葉っぱはあまり食べず、

  気付くと仰向けにひっくり返っていて、

  元に戻してあげて、、


  なんとか生きていたのだけど、今朝はもう動かなくなっていた。


  〜


  自分は小さい頃から、生き物を飼うのが苦手だった。

  苦手というのは、嫌だという意味ではなく、

  飼うのは好きだが、下手だという意味だ。


  何を飼っても大体すぐ死なせてしまう。。

  ちゃんと餌をあげても、虫かごに張り付いて見ていても、

  虫はすぐに死んでしまった。


  親にねだって買ってもらったカブトムシも、

  付き合っていた彼女と、夏祭りですくった金魚も、、


  〜

  でも、カーマは生きてくれた。

  ひと月半も。


  カミキリムシの寿命がどのくらいなのかは、分からないけど。

  自分があげた葉をむしゃむしゃ食べて、霧吹きであげた水をごくごく飲んで、  

  生きてくれた。


  〜

  もう当分生き物は飼わないだろう。

  
  長生きして、だんだんと元気がなくなっていく姿を見るのは、辛すぎる。

  
  振り返っても、もう虫かごはない。

  
  寂しいけど、もう生き物は飼わないだろう。


  〜

  狭いかごに入れてしまってごめんよ。

  今さら謝まられたくもないよな。。


  安らかに眠ってくれ。

  生きてくれてありがとう。

  〜