熊棚の道、



  日曜日。 

  どんな日でしたか?

  

  〜*〜*〜*〜*〜



  心地よい寒さと、流れる沢の音に、ぼんやりと目を覚ました。



  外はまだ暗いようだった。



  ツェルトの中には、甘い落ち葉の薫りが漂っていて、


  私の体を暖かく包み込んでくれていた。



  そのどこか切なくもある薫りを、体中に行(ゆ)き渡らせるように、

  
  ゆっくりと、静かに胸に吸い込んだ。



  こんなことで、このくらいのことで、


  少し、動物に戻れた気がした。




  もう今が何時かなんてことは、どうでもよかった。 

  

  ただ、ずっと包まれていたかった。


  夢の続きをと期待するように、シュラフの中にもう一度顔をうずめた、。




        
       

                          〜*〜*〜*〜