”life & live”



  昨日の続き、

  〜

  車で30分くらいの場所に、

  こんな自然の素敵な場所があるとは、知らなかった。

  
  近くには農業用水の池というか、小さい湖があり、

  小さい山々は緑で覆われている。


  かなり急な山道を登り、その人の家に着いた。

  昔その場所に住みついた時は、道も舗装されてなく、

  雨が降ると、道は川になり、車の腹がするぐらい掘れてしまったらしい。

  
  〜

  家は広く、400坪くらいあると言っていた。でも、山だ。。

  土を下ろし、家を案内してもらった。

  
  陶芸の窯や、陶芸作品、庭の木々、、こんなに簡単に観ていていいのか、

  これは、特別な時間じゃないのだろうか。


  窯で陶器を焼くとき、一人で三日三晩、13分に一回、寝ずに薪をくべ続けるという。  

  苦労話を楽しそうに喋っている姿は、かっこいい。


  そして家が良かった。

  自分の理想とする家が、そこにあった。

  口ではうまく説明できないが。


  〜

  周りの友達が、家を買ったり、建てたりするようになり、

  「自分は、どんな家が欲しいのか。」思うようになっている。

  街を歩いてる時など、「こんな感じの家、いいな〜」と心に思いとどめたりしている。


  いつか、自分が家を建てる時が来てくれるならば、その家々をもう一度観て回り、

  イメージを固めたいと、思っている。


  そして、この家は、最初に観に行くことになるだろう。と思った。
 
  何度も観に行くだろうと。。


  〜

  家に上がらせてもらい、お茶をいただいた。

  いろんな話しを聞いた。


  周りに家ができ、窯を使うと苦情がきてしまうこと。庭に来る鶯のこと。

  陶芸に使う土の話し。松の木が枯れているという話し。


  どの話しも、興味ある話だった。

  父が友人と話しをしている姿も、あまり見た事がなかったので新鮮だった。

  
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  帰り道。車中。

  「大変そうだけど、いい生活だね。」みたいな事を、父に言ったら、

  「でも、あんな静かなところに一人じゃ、寂しいぞ〜」と言った。

  

  その人の奥さんは、若くして病気で亡くなったそうだ。

  学校の先生をしていて、都会育ちで田舎に住みたい、ということから、

  今の場所に決めたそうだ。


  お葬式の時の話しを、父とその人で話していて、

  さらっと話していたが、 さらっと話すしかない何かが、そこにあるのだと思った。

  
  そおいう、乗り越えてきた事の断片が、作品にもにじみ出るのかもしれない。

  それは、陶芸にかぎった話しではないと、思う。
  
  
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  父は桜草をあげて、代わりにその人が窯で焼いた、タンブラーを貰った。

  2人ともすごく申し訳なさそうだった。

  すごくすごく素敵な関係だと、思った。
  

  雨だったけど、すごくいい一日だった。

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  晩御飯の時、父と2人でそのタンブラーで、ビールを飲んだ。

  味がうまく判別できない心境になっていた。。

  
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  読んでくれてありがとう☆